Story開発ストーリー
CFD血流解析による医学貢献へ ― 蓄積された知見を活かして
世界的な高齢化の中、脳血管疾患に対する科学的理解の深化と技術革新への重要性はますます高まっています。
過去20年の間に、血管疾患と血流との関連性が学術的に注目されるようになり、数多くの医学研究が実施されました。 特に、CFD(数値流体力学; Computational Fluid Dynamics)を用いた「血流のコンピュータシミュレーション(CFD血流解析)」への関心が2010年代に急激に拡大し、10年間で医学論文の投稿ペースは約3倍に増加しました。 [PubMed]
一方で、旧来のCFD技術は、航空や自動車産業などの工業分野で発展してきた経緯があります。 このため、医学研究のニーズに特化した血流解析技術やソフトウェアは長年にわたり存在せず、脳動脈CFD血流解析研究支援「専用設計の」ソフトウェア開発が求められてきました。
そこで、わたしたちのチームは、約10年間のCFD血流解析の研究実績をもとに、ニーズに適合する最先端ソフトウェア開発に着手しました。 脳血管領域におけるエキスパート研究者(医学・画像・工学)の多くの皆様から徹底的なヒアリングを行い、現場のリアルな声を収集・調査・分析しながら開発を進めてきました。
新世代ソフトウェア「Flow Lens®」では、独自の新技術を導入し、ユーザーニーズに即した直感的な「視る・探る・測る」機能性を実現しました。 ユーザーの皆様に新たな発見や視点をもたらし、医学研究の加速と応用への大きな前進を感じていただけると確信しています。
「Flow Lens®」が皆様の重要な医学研究活動にとって一助となり、新しい時代の医学発展へ貢献できることを願っています。
開発ディレクター/工学博士
星 雄陽
Takeharu HOSHI, PhD
FlowLens Director
1983生。早稲田大学卒。博士(工学)。 専門は医用生体コンピューティング技術。 これまで、研究機関・テクノロジー企業において、研究責任者・製品開発責任者・部門長を歴任。2021年よりBMEC株式会社の代表。「CFD血流解析」の研究開発に10年携わった経験を活かし、現在、社会実装に注力中。